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中小企業のDX

忙しい人ほど、実は何も決めていない|「決める」という仕事の話

2026.07.08

こんにちは、apro-incの業務改善・DXコンサルタント、AYAKAです。

一日、めまぐるしく働いた。メールを返して、電話に出て、会議に出て、また戻ってきたら別の相談が待っていて。気づけば夕方。なのに、ふと「今日、私、何を前に進めたんだろう」と思う。手帳を見ても、達成したと言えることが何もない。あの、疲れているのに空っぽな感じ。

以前の私は、まさにこれでした。誰よりも忙しくしていたのに、一年経っても会社の景色は変わらない。当時は「時間が足りないからだ」と思っていました。でも、あるとき気づいたんです。足りなかったのは時間じゃなくて、「決めること」だったと。

今日は、この「決める」という、目には見えないけれど、いちばん大事な仕事の話をさせてください。

「動いている」と「進んでいる」は、違う

まず、はっとさせられた気づきから書きます。忙しさには、二種類あるんですよね。「動いている忙しさ」と「進んでいる忙しさ」。この二つは、まったく別ものです。

動いているだけの忙しさは、降ってくることに反応し続けている状態です。メールが来たから返す、聞かれたから答える、頼まれたからやる。一日中体は動いているし、汗もかいている。でも、それはハムスターの回し車のようなもので、どれだけ走っても、景色は変わりません。

一方、進んでいる忙しさは、「これをやる」と決めたことに時間を使っている状態です。この二つの差は、忙しさの量ではなく、「自分で決めたかどうか」にあります。そして、多くの人が疲れ果てているのは、実は仕事の量のせいではなく、一日じゅう他人の都合に反応し続けて、自分では何一つ決めていないから、だったりするのです。

決めていないと、なぜこんなに疲れるのか。それはたぶん、「決まっていないこと」が、頭の片隅でずっと居座り続けるからです。「あの件、どうしようかな」という宙ぶらりんが何個もあると、意識していなくても、脳はそれを気にし続ける。決めないことは、ラクなようでいて、実はいちばん体力を削るのです。

決められないのは、優柔不断だからじゃない

「決めるのが苦手で」とおっしゃる方は多いのですが、私はそれを優柔不断とは思いません。決められないのには、ちゃんと理由があります。

一つは、決めると責任が生まれるからです。「これでいく」と決めた瞬間、その結果を引き受けることになる。だから、決めずにおけば、まだ失敗していないことにできる。先送りは、無意識の防衛なんですよね。

もう一つは、単純に、決める体力が残っていないからです。人が一日に下せる判断の数には限りがある、という話を聞いたことはないでしょうか。細かい判断を朝から数えきれないほど繰り返していると、夕方には「もう考えたくない」と、脳が音を上げます。大事な決断が後回しになるのは、あなたの意志が弱いからではなく、単純に判断のエネルギーを使い果たしているからかもしれません。

私はこれを知ってから、自分をずいぶん責めなくなりました。「決められないダメな自分」ではなく、「判断の体力が切れているだけ」。そう捉え直すと、対処のしようが見えてきます。

「決める」を、意志ではなく仕組みで支える

じゃあどうするか。私がやってみて効いたことを、いくつかお話しします。あくまで私の場合は、ですが。

一つは、大事なことを決めるのを、頭が元気な時間帯に持ってくること。私は朝いちばんの30分を「決める時間」にしました。メールも開かず、宙ぶらりんになっている案件を紙に書き出して、片っ端から「やる・やらない・後で」を決めていく。判断の体力が満タンのうちに、重い決断を済ませてしまうわけです。

もう一つは、小さなことは「決めなくていい仕組み」にしてしまうこと。毎回悩んでいたことを、「こういうときはこうする」とルールにしておく。そうすると、貴重な判断の体力を、本当に大事なことだけに使えます。決めることを減らすのも、立派な「決める技術」なんです。

そしてもう一つ、これが案外いちばん大事かもしれません。「完璧に決めようとしない」こと。情報が100%そろうまで待っていたら、いつまでも決まりません。7割見えたら決めて、走りながら直す。昨日、明日と続く話にもつながりますが、決断は精度より速さのほうが、結果的にうまくいくことが多いのです。

もし、この記事を読みながら「忙しいのに進んでいない、まさに私だ」と感じたなら、必要なのは、もっと頑張ることでも、時間を絞り出すことでもないのかもしれません。何に時間を使うかを「決める」こと。そして、決め続けられる仕組みを持つこと。ここが整うと、同じ忙しさでも、手応えがまるで変わってきます。

apro-incでは、日々の業務に追われて「決める時間」を失っている状態から抜け出すお手伝いをしています。何を決めるべきで、何は決めなくていい仕組みにできるのか。そこを一緒に整理するだけで、驚くほど頭が軽くなる方は少なくありません。「忙しいのに前に進んでいる気がしない」と感じている方は、ぜひ一度ご相談ください。あなたの一日から、「宙ぶらりん」を一つずつ減らしていきましょう。

AYAKA’s View

経営者や管理職の方の相談に乗っていると、「時間がない」という言葉の下に、実は「決めきれていないこと」がいくつも埋まっている、というのをよく見かけます。決まっていない案件が頭の中に居座っているから、いつも何かに追われている感じがして、休んでも休まらない。

だから私は、まず一緒に「宙ぶらりんの棚卸し」をします。頭の中でぐるぐるしていることを全部出して、一つずつ「これはこうする」と決めていく。それだけで、憑き物が落ちたように表情が変わる方がいらっしゃいます。決めることは、孤独な作業に思えますが、誰かと一緒なら、案外すいすい決まっていくものです。一人で抱えて決めあぐねていることがあるなら、その相談相手に、私を使ってください。いつでもお待ちしています。


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