資料作り・提案書をAIと一緒に仕上げる「プロンプトの型」 3テンプレート完全公開【AI入門連載・第6回】

AI

連載「AI初心者のための教科書」第6回/全10

こんにちは、apro-incの業務改善・DXコンサルタント、AYAKAです。

「ChatGPTに資料を作らせてみたけど、なんか使えないんですよね・・・」

そんな声をよく聞きます。その原因のほとんどは、AIではなくプロンプト(指示文)にあります。

MITの研究では、ChatGPTを活用した文書作成において作業時間が平均40%削減されることが確認されています。ただしこれは「適切なプロンプト」があってこそ。今回はその「型」を3種類、完全公開します。


なぜ「型」が必要なのか

ChatGPTに「提案書を作って」と入力するだけでは、期待通りのアウトプットは出ません。AIは「指示が曖昧なほど、ありきたりな結果を返す」性質があるからです。

一方、GPT-5では役割指定・出力形式指定・制約条件の明確化を組み合わせると精度が大幅に向上することが確認されています。つまり、プロンプトに「型」を持つだけで、AIの実力を最大限に引き出せるのです。


プロンプト「5要素の型」 すべての資料作成の土台

資料の種類にかかわらず、質の高いアウトプットを引き出すプロンプトには共通して5つの要素が含まれています。

要素内容例文
役割AIにどの立場で答えさせるか「あなたは中小企業向けのDXコンサルタントです」
相手誰に向けた資料か「IT知識がない経営者に向けた」
目的資料で何を達成したいか「サービス導入の意思決定を促す」
構成スライド数・章立て・形式「6スライド構成、各スライド要点3行以内」
制約避けるべき表現・文体・量「専門用語は使わず、結論から書く」

この5要素を埋めることが、すべての資料作成プロンプトの土台になります。以下の3つのテンプレートはすべてこの型をベースに設計しています。


型1:提案書プロンプト 「課題→解決→効果→行動」の鉄板構成

新サービスや新ツールの導入提案、取引先への営業提案など、最も使用頻度が高いのがこの型です。

💬 提案書プロンプト(コピペOK・[ ]内を自社情報に変更)
あなたは中小企業向けのDXコンサルタントです。
以下の条件で、経営者向けの提案書の構成案とスライドごとの本文を作成してください。  

【提案の目的】
バックオフィス業務の自動化サービス導入を検討してもらうこと  

【提案相手】
従業員30名規模の製造業、IT知識のない代表取締役  

【提案する内容】
請求書処理・経費精算・勤怠管理を一括自動化するクラウドサービス  

【構成】
①現状の課題 ②解決策の提案 ③導入効果(数値あり)④費用と期間 ⑤次のアクション
全5スライド、各スライド本文は3行以内、結論を先に書く  

【制約】
専門用語を避け、経営者が読んで5分で意思決定できる内容にする

ポイント:「結論を先に書く」という制約を入れることで、忙しい経営者が読みやすい構成になります。また「数値あり」と明示することで、AIが効果を具体的に表現しようとします。


型2:報告書プロンプト 「事実→分析→提言」の3層構造

月次報告・業務改善報告・プロジェクト進捗報告など、定期的に発生する報告書に使える型です。

💬 報告書プロンプト(コピペOK・メモ部分を差し替え)
あなたはプロのビジネスライターです。
以下のメモをもとに、上司向けの業務改善報告書を作成してください。  

【報告の目的】
受発注業務の改善活動の中間報告と、次フェーズへの承認取得  

【読み手】
直属の上司(部長)。詳細より「結果と判断材料」を重視する人物  

【報告内容のメモ】
(ここに箇条書きのメモを貼り付ける)
例:
・4月から受発注をExcelからクラウドに移行   
・処理時間が1件あたり15分→6分に短縮   
・一部担当者から操作への不満あり  

【構成】
①実施内容の概要 ②成果(数値) ③課題と対応策 ④次フェーズの提言  

【制約】
800字以内、箇条書きと短文を混在させて読みやすくする

ポイント:「箇条書きのメモ」を渡すだけでAIが文章に整形してくれます。ゼロから文章を書く必要がなく、メモを書く時間だけで報告書が完成します。


型3:企画書プロンプト 「なぜ・何を・どうやって・いくらで」の4象限

新規事業・新サービス・社内施策など、アイデアをまとめて関係者を動かすための企画書に使える型です。

💬 企画書プロンプト(コピペOK・[ ]内を自社情報に変更)
あなたは事業企画のプロフェッショナルです。
以下の条件で、社内承認を得るための企画書を作成してください。  

【企画のタイトル】
AIチャットボットによるカスタマーサポート自動化  

【企画の背景・課題】
問い合わせ対応に1日2〜3時間かかっており、スタッフの本来業務を圧迫している  

【ターゲット読者】
社内の経営会議(経営者・管理職)。数字と費用対効果を重視する  

【構成】
①企画の背景と課題 ②提案内容と実施方法 ③期待効果(定量・定性)
④スケジュール ⑤予算概算 ⑥リスクと対策  

【制約】
A4換算2枚以内、専門用語には補足を入れる、反論への先回り回答を③に含める

ポイント:「反論への先回り回答を含める」という一文を加えることで、AIが「この企画の弱点は何か?」を先読みした内容を盛り込んでくれます。承認率が格段に上がります。


さらに精度を上げる「追加プロンプト」3選

最初の出力に満足できなかったときは、以下の追加プロンプトで磨き上げましょう。

🛠 仕上げ精度を上げる追加プロンプト
✅ 論理を強化したいとき:
「この資料の論理構成で飛躍や矛盾がある箇所を指摘し、改善案を提示してください」  
✅ 反論対策をしたいとき:
「読み手が抱きそうな疑問や反論を5つ挙げ、それへの回答を追記してください」  
✅ 文体を整えたいとき:
「全体のトーンを統一し、箇条書きが多い部分を自然な文章に整えてください」

AYAKA’s View

「プロンプトを書く時間がかかりそう・・・」と感じた方もいるかもしれません。でも、最初に5要素を埋める3分を投資することで、その後の資料修正にかかる30分〜1時間が丸ごと省けます。

AIと資料を作る感覚は、「優秀なアシスタントに仕事を任せる感覚」に近いです。指示が曖昧だと期待通りの仕事をしてくれないが、丁寧に指示すれば想定以上の仕事をしてくれる。プロンプトの型はそのための「依頼書の書き方」です。

次回(第7回)はプロンプトエンジニアリングをさらに深掘りし、「AIに上手く質問する技術」の入門編をお届けします!


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