こんにちは、apro-incの業務改善・DXコンサルタント、AYAKAです。
「RPAを使ってみたいが、自社のどの業務に向くかわからない」という相談は、RPA導入の入口でよく聞きます。ツールを選ぶ前に、この「業務選定」を正確に行えるかどうかが、RPAの成否を左右します。
RPAを早く効果を出すには「RPAを早く開発できる業務」かつ「RPAの効果が高い業務」の2つを満たすものを選ぶ必要があります。この選ぶプロセスを体系化することで、試行錯誤なく最初の一手を決められます。今回はその判断を「点数化」するチェックシートを公開します。
業務選定が失敗する理由
「とりあえず一番面倒な業務をRPA化しよう」という選び方が、最もよく失敗するパターンです。
面倒な業務の多くは例外対応が多い・ルールが曖昧・頻繁に手順が変わる、という特徴を持っています。まさにRPAが最も苦手とする条件が揃っています。一方、発生頻度が高い・ルールが明確・手順が安定しているという3つが揃う業務は、RPAが最も得意とするものです。
「面倒さ」ではなく「RPAとの相性」で選ぶ。この視点の転換が業務選定の第一歩です。
加点・減点式チェックシート(全8項目)
対象業務を1つ決めて、次のチェックシートに答えてください。「はい」なら加点・減点、「いいえ」なら0点として合計を出します。

| チェック項目 | はい | いいえ |
|---|---|---|
| ◎ RPA向き(加点項目) | ||
| 毎日または毎週、同じ手順で繰り返している作業である | □ +1点 | □ 0点 |
| 処理件数が多い(月20件以上)または1回の作業が10分以上かかる | □ +1点 | □ 0点 |
| 複数のシステム・アプリをまたいでデータを転記・コピーしている | □ +1点 | □ 0点 |
| ルールや判断基準が明確で「例外」が少ない(例外は全体の1割未満) | □ +1点 | □ 0点 |
| 業務フローが1年以上ほぼ変わっていない | □ +1点 | □ 0点 |
| ✕ RPA向かない(減点項目) | ||
| 業務フローが月1回以上変わる、または変わりやすい | □ -1点 | □ 0点 |
| 例外・イレギュラー対応が全体の3割以上を占める | □ -1点 | □ 0点 |
| 担当者の「判断・感覚・経験」が必要な業務である | □ -1点 | □ 0点 |
5つの加点項目と3つの減点項目で構成しています。加点項目に多く当てはまるほどRPA向きで、減点項目に当てはまる場合はRPA化より先にすべき作業があります。
スコア別の判定と推奨アクション

| 合計スコア | 判定 | 推奨アクション | 優先度 |
|---|---|---|---|
| 4〜5点 | ◎ 最優先 | 今すぐRPA化の検討を開始する。最初に着手する業務として最適 | 今すぐ |
| 2〜3点 | ○ 検討可 | 業務フローを少し整理してからRPA化。標準化を先に進めることで効果が上がる | 3ヶ月以内 |
| 0〜1点 | △ 要整理 | RPAより先に業務プロセスの見直しが必要。標準化が完了してから再評価する | 6ヶ月後に再評価 |
| マイナス点 | ✕ 不向き | RPAではなくBPRや業務フロー変更を先に実施。無理に自動化しない | 対象外 |
4〜5点の業務が見つかれば、それが最初に着手すべきRPA対象です。「どうしても4点以上の業務が見つからない」場合は、まず業務プロセスの整理・標準化を先に進めることをおすすめします。整理されていない業務をRPA化しても、効果は半減します。
中小企業でスコアが高くなりやすい業務の例
- 毎月の請求書をシステムに入力する作業(経理・受発注)
- 受注データをExcelから販売管理ソフトに転記する作業
- 日次・週次の売上集計レポートを所定のフォーマットで作成する作業
- 定期的なメール送付(発注確認・入金案内・納期通知など)
- 在庫確認システムと受注管理システムを照合するチェック作業
これらの業務は「繰り返し・ルール明確・手順安定」の3条件を満たすものが多く、Power AutomateやRoboPatといったツールで比較的短期間に自動化できます。
「どの業務か決められない」とき
チェックシートを使っても「どれも似たようなスコアで決められない」という場合、業務の解像度が低い状態です。「請求書処理」という大きな括りではなく「Aシステムから請求金額を確認してBシステムに転記する作業(所要20分・月40回)」まで分解することで、スコアが付けやすくなります。
業務を分解する際は「誰が・何を・どれくらいの時間で・何回・どんな手順で」の5点を記録するだけで十分です。このメモがapro-incとの相談資料にもなります。
AYAKA’s View
業務選定のチェックシートを使うと、「意外とRPAに向く業務がいくつもある」という発見をする経営者が多いです。逆に「あれだけ面倒だと思っていた業務が、実はRPAに向かなかった」という気づきもあります。
RPAは道具です。どの道具を使うかより、どの仕事に使うかの方がずっと大事です。チェックシートで候補業務を1つ絞り込んだら、次のステップは試験運用です。
「チェックシートを記入したが自社での判断に自信がない」「ROIの試算を一緒にしてほしい」というご相談も、apro-incにお気軽にどうぞ。業務ヒアリングに基づいたRPA化の優先順位とROI試算を一緒に行います。
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