こんにちは、apro-incの業務改善・DXコンサルタント、AYAKAです。
「Excelでの顧客管理が限界だから、kintone(キントーン)で新しいアプリを作ろう!」
そう思い立って、意気揚々とアプリ作りに挑戦したことはありませんか? kintoneは、ドラッグ&ドロップで簡単にパーツを配置できるため、プログラミングの知識がない初心者でもすぐに形にできるのが素晴らしいところです。しかし、実はここに最大の落とし穴が潜んでいます。
今回は、kintoneアプリ作成でよく起こる「最初はシンプルだったのに、気づけば誰も使えない怪獣アプリになっていた……」という失敗の原因と、それを防ぐための具体的な処方箋をお届けします。
よくある失敗:良かれと思った「機能のてんこ盛り」
ある企業のチームで、新しく「案件管理アプリ」を作ることになったときのお話です。
- 最初は「会社名、担当者、進捗、金額が分かればいいよね」とシンプルにスタート。
- 途中から 「あ、過去のやり取りもメモしたいな」「売上の予測グラフも自動で出したい」「他部署のデータも連携できたら便利かも!」
- その結果、 現場の要望をすべて詰め込んだ結果、入力項目が100個を超え、画面が縦に長すぎてどこに何を入力すればいいか分からない「誰も使わないアプリ」が完成。
このように、最初の目的を超えて、なし崩し的に要望が膨らみ、プロジェクトが収拾つかなくなる現象が、システム開発や業務改善の現場では本当によく起こります。kintoneは簡単に機能を追加できてしまうからこそ、この『便利の沼』にハマりやすいのです。
なぜ「てんこ盛り」になってしまうのか?3つの心理
原因は、作る人のスキル不足ではありません。主に次の3つの「良かれと思って」という心理から起こります。
- 「ついでに」の誘惑 「せっかく作るんだから、あの機能も、この機能も……」と、夢が膨らんでしまう。
- 「やらないこと」を決めていない 「今回のアプリで解決する問題」のゴールが曖昧で、明確な線引きができていない。
- 優しさによる安請け合い 周りから「これできない?」と言われたとき、kintoneなら簡単に作れそうだからと「いいですよ!」と二つ返事で引き受けてしまう。
失敗を防ぐ!kintoneアプリ作成3つの処方箋
kintoneで本当に「使える(定着する)」アプリを作るために、次の3つのステップを意識してみましょう。
① 最初は「ちょっと物足りない」くらいでやめる
一気に100点満点のアプリを作ろうとせず、まずは「これがないと今日の仕事が回らない」という最小限の機能(50点レベル)だけでリリースします。 kintoneの最大の強みは「後からいくらでも、修正や追加ができること」です。最初から完璧を目指す必要はまったくありません。
② 「やらないことリスト」を最初に握る
アプリ作りのスタート時に、チームや関係者とこう約束しておきましょう。 「今回のアプリは『今月の売上をリアルタイムで見ること』だけを目的にします!自動通知や他システムとの連携は、来月以降に考えましょう」 ゴールに直結しない要望は、どんなに良いアイデアでも「今回は見送り(次回アップデート)」にする勇気が大切です。
③ 要望はすぐ形にせず「要望BOX」へ
メンバーから「この機能もほしい」と言われたら、アプリにすぐ実装するのではなく、メモ帳や別の「要望BOXアプリ」にアイデアとしてストックしておきます。 1ヶ月運用してみて、「やっぱりどうしても必要だ」となったものだけを厳選して追加するルールにすると、アプリがデブ化(肥大化)するのを防げます。
まとめ:引き算の優しさが、愛されるアプリを作る
kintoneアプリ作成のコツは、足し算ではなく「引き算」です。
使う人の使いやすさを第一に考えるなら、機能を詰め込むのではなく、「迷わず入力できるシンプルさ」をプレゼントしてあげること。 「ちょっと物足りないかな?」と思うくらいのシンプルアプリから、現場の声を聴きながら一緒に育てていく。それこそが、kintoneで業務改善を成功させる一番の近道です。
AYAKA’s View
kintoneの「誰でも簡単に作れる」というメリットは、裏を返せば「誰でも簡単にアプリを複雑化できてしまう」というリスクと隣り合わせです。 業務改善の現場で大切なのは、ツールを導入することではなく、それを使って現場の業務が楽になることです。欲張らずに小さく始めて、使いながらカイゼンを繰り返す「アジャイル」な姿勢こそ、DX成功へのファーストステップになります。まずは社内の「やらないこと」の線引きから始めてみませんか?
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