「なんとなく紙でやってる」を、ひとつだけデジタルにしてみる

こんにちは、apro-incの業務改善・DXコンサルタント、AYAKAです。
先日、ある会社にお邪魔したとき、棚一面にびっしり並んだ紙のファイルを見て、担当の方がこうおっしゃいました。「これ、たぶん、ほとんど見返さないんですけどね。なんとなく、紙で取っておくのが習慣になっちゃって」。
この「なんとなく紙で」という感覚、すごくよく分かります。そして、たぶん、多くの会社に共通するものだと思うんです。特に理由があるわけじゃない。ただ、昔からそうしているから、そうしている。今日は、そんな「なんとなくの紙」を、少しだけ見直してみる話をさせてください。とはいえ、「さあ、ペーパーレスだ!」なんて、大げさな号令をかけるつもりはありません。もっと、気楽な話です。
「ペーパーレス」という言葉が、腰を重くする
そもそも、「ペーパーレス」という言葉、ちょっと大げさで、身構えてしまいませんか。会社じゅうの紙を一掃して、全部データにして、みたいな、大工事のイメージ。そんなの、忙しい日々の中で、とても手がつけられない。そう感じて、結局「うちにはまだ早い」と、先送りにしてしまう。
でも、私が思うに、ペーパーレスは、そんな大それたものじゃなくていいんです。会社の紙を全部なくす必要なんて、まったくありません。というか、紙のほうがいいものは、紙のままでいい。手書きのメモの自由さや、紙の資料の一覧性は、以前の週末コラムでも書いたように、デジタルにはない良さがありますから。
大事なのは、「全部変える」でも「何も変えない」でもなく、「変えたほうが明らかにラクになるものだけ、変える」。その線引きなんですよね。そして、その最初の一歩は、拍子抜けするほど小さくていいんです。
まずは、「これ、紙じゃなくてよくない?」を、ひとつ探す
私がおすすめするのは、まず、身のまわりの紙を見渡して、「これ、別に紙じゃなくてよくない?」というものを、ひとつだけ見つけることです。
たとえば、こんなものはないでしょうか。毎回手書きしているけれど、実は同じ内容の繰り返しになっている書類。ファイルに綴じているけれど、探すのにいつも苦労している資料。何枚もコピーして配っているけれど、すぐに古くなってしまうお知らせ。こういう、「紙であることで、かえって手間が増えているもの」。これが、デジタルにする最初の候補です。
逆に言えば、紙で困っていないものは、無理に変えなくていいんです。変えるのは、紙であることが「痛み」になっているものだけ。その痛みがいちばん大きいものを、ひとつ選ぶ。全部を一度に見直そうとすると、それだけで疲れてしまいますが、「いちばん困っている紙、ひとつ」なら、探せそうな気がしませんか。
小さく変えて、「あ、ラクだ」を味わう
ひとつ選んだら、それを、できるだけ簡単な方法で、デジタルに置き換えてみます。難しいシステムを導入する必要はありません。手書きの繰り返し書類なら、パソコンで入力できる形にするだけ。探しにくい資料なら、共有フォルダに整理して置くだけ。それくらいの、身近なところから、で十分です。
そして、実際にやってみて、「あ、これ、ラクだ」という感覚を、一度味わってみてほしいのです。探す手間が減った。書き直しがなくなった。みんなが同じものを見られるようになった。その小さな「ラクになった」の実感が、何より大事なんです。なぜなら、その実感があると、「じゃあ、次はあれも変えてみようかな」と、自然に次の一歩が出てくるからです。
これは、これまでの記事で何度もお伝えしてきた、「小さく始めて、成功体験を積む」という話と、まったく同じです。ペーパーレスも、DXも、けっきょくは、この小さな成功体験の積み重ねでしか、進んでいかないんですよね。最初から完璧なペーパーレスを目指すより、「ひとつだけラクになった」を、いくつも重ねていく。そのほうが、ずっと確実で、ずっと長続きします。
もし今、「デジタル化しなきゃとは思うけど、何から手をつければいいか分からない」という状態でいるなら、必要なのは、大きな決意でも、高価なシステムでもありません。「いちばん困っている紙を、ひとつ」。そこから始めれば、いいんです。
apro-incでは、こうした「小さな一歩」から始めるデジタル化を、得意にしています。いきなり大きなシステムを売り込むようなことは、いたしません。まずは、御社の中でいちばん「紙の痛み」が大きいところを一緒に見つけて、無理のない方法で、ひとつ、ラクにしてみる。その成功体験から、少しずつ広げていく。「何から始めればいいか分からない」「ペーパーレスに挫折した経験がある」という方こそ、ぜひ一度ご相談ください。御社にとっての「最初のひとつ」を、一緒に見つけるところから始めましょう。
AYAKA’s View
デジタル化のご相談を受けるとき、私がいちばん気をつけているのは、「紙が悪、デジタルが正義」みたいな、単純な話にしないことです。紙には紙の良さがあり、デジタルにはデジタルの良さがある。大事なのは、どちらが偉いかではなく、その業務にとって、どちらが合っているか。それだけなんですよね。
そして、デジタル化でいちばんもったいないのは、「大きく変えようとして、結局何も変わらない」ことです。立派な計画を立てて、大掛かりなシステムを検討して、でも、実行できずに止まってしまう。それなら、小さくても、ひとつ実際に変えて、「ラクになった」を体験したほうが、はるかに前に進みます。その最初のひとつを、私と一緒に見つけませんか。大げさなことは、しません。あなたの会社の、いちばん困っている紙の話から、気軽に聞かせてください。いつでもお待ちしています。

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