中小企業のDX推進を妨げる5つのハードルを明らかにしました。
そして第3章では、それでもなおDXに取り組むべき理由と価値について確認しました。
では実際に「どうやって進めればよいのか?」──ここが多くの企業がつまずくポイントです。
この章では、現場で今すぐ始められる「現実的な対策」にフォーカスし、Google Workspaceやノーコードツールの活用法、さらには外部支援との連携まで、実践的なステップをご紹介します。
Google WorkspaceでできるDXの第一歩

DXの入り口としておすすめの方法ってありますか?ツールとか…。

あるよ。まず取り組みやすいのがGoogle Workspaceを活用した業務効率化だね。
これはGmail、Googleドライブ、スプレッドシート、Googleカレンダーなどが一体となったツールセットで、クラウドベースでチームの仕事がスムーズになるんだ。

確かに、無料でも使ってる人は多いですもんね。

そう。例えば、紙でやっていた日報をGoogleフォームに変えて、スプレッドシートに自動集計するだけで、入力の手間も転記ミスも激減する。
クラウドだからどこからでも見れるし、業務の「見える化」が一気に進むよ。
- スモールスタートで始められる
- 既に知っているUIで導入障壁が低い
- 業務の可視化・共有・自動化が可能
ノーコードツールによる現場主導の業務改善

Google Workspaceでの効率化に慣れてきたら、次のステップってありますか?

そこで登場するのがノーコードツールだね。代表的なのが「Kintone」や「AppSheet」だ。
これらを使えば、プログラミングをせずに業務アプリが作れる。たとえば顧客管理、在庫管理、問い合わせ対応など、紙やExcelでやってた業務をアプリ化できるよ。

現場の人が自分でアプリを作れるって、すごいですね。

そう。特にKintoneは日本企業向けに作られていて、「ドラッグ&ドロップ」で簡単にカスタマイズできる。
AppSheetはGoogle製だから、スプレッドシートとの連携が抜群なんだ。
- 専門知識不要で業務アプリを内製可能
- 現場の声をそのままシステムに反映できる
- スプレッドシートとの連携でデータ管理が一元化
外部パートナーや補助金制度を活用する

でもやっぱり、どこかで「自分たちだけでは無理かも…」ってなる時もありますよね。

そのときこそ、外部パートナーとの連携が力になる。
IT導入補助金を申請するにも、認定された支援事業者と一緒に進めればスムーズ。
我々のようなコンサルも、現場と経営の橋渡しとしてサポートできるんだよ。

伴走型の支援ってことですね。

そう。「一緒に走ってくれる存在」を見つけることで、DXの成功確率はぐっと高まるんだ。
- 公的補助金(IT導入補助金・小規模事業者持続化補助金など)の活用
- 外部支援事業者・コンサルタントとの協働体制
- 長期的な視点でのパートナー選びが重要
まとめ
中小企業のDXは、最初から大きく始める必要はありません。
身近なツールから始め、小さな改善を積み重ね、必要に応じて専門家と連携する。
これが成功のセオリーです。
特に、Google Workspaceのような使い慣れたツールの延長線上に改善のヒントを見出し、
ノーコードツールで現場が主体となって業務改善を行う流れは、現代のDXの理想形とも言えるでしょう。