GW特別連載「デジタルの向こう側へ 五感をひらく8日間」第6日目
こんにちは、apro-incの業務改善・DXコンサルタント、AYAKAです。
GW6日目。少し疲れが出てきた頃ではないでしょうか。
今日は身体を休める日にしよう・・・ そう思いながら、ふとスマートウォッチの画面を見たら「睡眠スコア:62」と表示されていました。100点満点で62点。なんとなく、それを見た瞬間に「あ、今日は調子が悪いのか」と思ってしまいました。
5人に1人がスマートウォッチをつけている時代
2026年現在、スマートウォッチの国内普及率は20%を超え、すでに5人に1人が日常的に着用しています。心拍数・睡眠スコア・歩数・消費カロリー・ストレス値。起きている間も、眠っている間も、身体のデータが刻々と記録されています。
これは本当に便利なことです。「最近歩数が減っているな」「睡眠が浅い日が続いているな」という気づきを与えてくれます。私自身もスマートウォッチに助けられた経験があります。
でも今日、「睡眠スコア62」という数字を見てから妙に気分が重くなった体験が、少し引っかかりました。数字を見る前は「まあそこそこ眠れた」と思っていたのに、スコアを見た途端に「良くなかったんだ」と上書きされてしまった。
数値が「体感」を上書きする逆説
睡眠専門のクリニックによると、スマートウォッチなどの睡眠トラッカーのデータに過度にこだわり、数値が悪いと「眠れなかった」と自己評価してしまい、かえって不眠を悪化させる方がいるといいます。
「深い眠りが少なかったから、今日は疲れるだろう」「睡眠スコアが低いから、日中のパフォーマンスが落ちてしまう」。実際は問題がなくても、そういった思い込みが日中の倦怠感につながってしまうのです。
本来、身体の状態を「知る」ために使うツールが、身体の状態を「決める」ツールになってしまっている。デジタルが身体の声より先に、今日の調子を判定してしまう。これは少し怖いことだと思います。
スマートウォッチが測れること、測れないこと

スマートウォッチが測れるものは、心拍数・歩数・睡眠時間・消費カロリー・SpO2(血中酸素)・ストレス値、これらは客観的な数値として役立ちます。
でも測れないものがあります。
たとえば「幸せな疲労感」。友人と笑い続けた後の疲れ、山を登りきった後の疲れは、睡眠スコアには現れません。データ上は「質の悪い睡眠」でも、本人は深く満たされているかもしれない。
「なんとなくの不調」もそうです。数値はすべて正常なのに、なんとなく体が重い、心がざわざわする。これは測定値に現れないまま蓄積することがあります。
睡眠の専門家も「スマートウォッチの睡眠データはあくまでアルゴリズムによる予測値。健康習慣づくりのきっかけにはなるが、数値を過信しすぎないことが大切」と強調しています。測定精度は改善されていますが、医療機器ではない以上、参考指標として捉えることが重要です。
「疲れたら眠る」という原始的な知恵
今日、私はスマートウォッチを外しました。
昼食の後、ソファで少しうとうとしました。何分眠ったかはわかりません。どんな睡眠の深さだったかもわかりません。でも、目が覚めたとき「ああ、すっきりした」という感覚がありました。
「疲れたら眠る。眠れたらすっきりする。すっきりしたら動く」、これはスマートウォッチが普及するはるか前から、人間の身体が持っていた知恵です。
データは「気づき」のためにあります。睡眠スコアが何週間も低い状態が続いているなら、生活習慣を見直すサインかもしれない。心拍数が急に変化しているなら、専門家に相談するきっかけになる。そういう「変化を察知するセンサー」としてスマートウォッチを使うのは、とても理にかなっています。
でも今日の調子を、今の自分の感覚より先にデジタルに決めさせる必要はないのです。
AYAKA’s View

DXの仕事をしていると、「数値化できないものは管理できない」という言葉に出会います。でも身体に関しては、「数値化されたものだけが本当ではない」という逆説もある、とGWの昼寝のあとに感じました。
スマートウォッチは手放さなくていい。でも今日だけ、外してみてもいいかもしれません。スコアを見る前に、自分の身体に「今日、どんな感じ?」と聞いてみる。その答えが、最初の健康管理のデータかもしれません。
このGW、数値より先に身体の声に耳を傾ける時間を、少しだけ作ってみてください。
明日(5/5・こどもの日)は「子どもにスマホを渡す前に デジタルネイティブ世代に『退屈』を贈る理由」をお届けします。
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