「うちの業界は特殊だから」と言う前に|他業種から学ぶという発想

こんにちは、apro-incの業務改善・DXコンサルタント、AYAKAです。
「その考え方は分かるけど、うちの業界は特殊だからね」。
改善のご提案をしていると、この言葉に出会うことがあります。決して悪気があるわけではありません。長くその業界で頑張ってこられた方ほど、自分たちの仕事の難しさや事情を、よく分かっている。だからこそ、外から来た一般論に対して、「うちはそう単純じゃないんだ」と感じる。その気持ちは、とてもよく分かります。
でも、今日はあえて、その「特殊だから」を、一度そっと脇に置いてみませんか、という話をさせてください。なぜなら、その一言が、せっかくの改善のヒントを、自分から遠ざけてしまっていることが、けっこうあるからです。
「特殊」は、たいてい半分だけ本当
まず、正直なところを書きます。「うちの業界は特殊だ」というのは、半分は本当で、半分は思い込みだと、私は思っています。
たしかに、どの業界にも、その業界ならではの事情はあります。商習慣、規制、お客様の特性。そこは、本当に特殊です。でも、仕事の中身をよく分解してみると、実は「どの業界にも共通する部分」のほうが、ずっと多いんですよね。人に何かを伝える、段取りを組む、情報を共有する、ミスを防ぐ、お客様に喜んでもらう。こうした土台の部分は、業種が違っても、驚くほど似ています。
ところが、「うちは特殊だ」という意識が強いと、この共通部分まで「特殊」に見えてしまう。ほかの業界のやり方を、「あれは畑が違うから参考にならない」と、最初から見ようとしなくなる。こうして、外にたくさん転がっているヒントを、自分から拾わなくなってしまうのです。もったいない話だと思いませんか。
いちばん面白い改善は、たいてい「よそ」から来る
私が現場でお手伝いをしていて実感するのは、飛び抜けて面白い改善のアイデアは、同じ業界の中からより、まったく違う業界から飛んでくることが多い、ということです。
同じ業界の中を見渡しても、みんな似たようなやり方をしています。だから、そこから出てくる改善は、どうしても小粒になりがちです。一方、まったく違う業界には、自分たちが思いもしなかった「当たり前」があります。その、よその当たり前を自分たちの仕事に持ち込んだとき、思いがけない突破口が開けることがあるんです。
たとえば、製造業の現場の工夫が、事務作業の効率化のヒントになったり。飲食店の接客の考え方が、お客様対応の改善につながったり。旅館のおもてなしの発想が、まったく別のサービス業に活きたり。「畑違い」に見えるものほど、実は宝の山だったりします。自分たちが必死に考えても出てこなかった答えを、隣の畑があっさり持っていた、なんてことは、本当によくあるのです。
「よそ」を見るのに、大げさな視察はいらない
「他業種から学ぶ」というと、大掛かりな視察や勉強会を思い浮かべるかもしれません。でも、そんなに構えなくて大丈夫です。もっと身近なところから始められます。
たとえば、自分がお客の立場で、いい体験をしたとき。「このお店の予約のしくみ、すごくスムーズだったな」「この会社の連絡の仕方、分かりやすかったな」。そう感じた瞬間が、実は学びのチャンスです。そこで「気持ちよかった」で終わらせず、「これ、うちの仕事に置き換えたら、どうなるだろう」と、ほんの少し考えてみる。日常の中に、他業種のお手本は、いくらでも転がっています。
大事なのは、姿勢ひとつなんですよね。「うちには関係ない」と壁を作るのか、「何か盗めるものはないか」と面白がるのか。同じ体験をしても、この姿勢の違いで、得られるものはまるで変わってきます。そして、この「面白がる目」を持てるようになると、世の中のすべてが、改善のヒント帳に見えてきます。
とはいえ、社内の人間だけだと、どうしても自分たちの業界の常識にどっぷり浸かっていて、「これは特殊だ」の思い込みから抜け出しにくいものです。何が本当に特殊で、何が実は他業種から学べる共通部分なのか。その仕分けは、いろいろな業種を見てきた外部の視点があると、ぐっとやりやすくなります。
apro-incでは、さまざまな業種の現場に関わってきた経験をもとに、「その悩み、実はあの業界のあのやり方が効きますよ」という、畑を越えたヒントをお持ちすることを、得意にしています。自社の中だけで煮詰まっていた課題が、よその発想であっさり解けることは、本当によくあるのです。「うちの業界では無理だと思っていた」「もう打つ手がない」と感じている方こそ、ぜひ一度ご相談ください。その「特殊」の壁の向こうに、突破口があるかもしれません。
AYAKA’s View
「うちの業界は特殊だから」という言葉は、時に、変わらないための便利な言い訳になってしまうことがあります。もちろん、ご本人にそんなつもりはありません。でも、この一言が出た瞬間に、思考が止まってしまうんですよね。だから私は、この言葉が出たときこそ、「本当にそうでしょうか、一緒に分解してみましょう」と、そっとお声がけするようにしています。
いろいろな業種の現場を見せていただいてきて、つくづく思うのは、悩みの根っこは、業界が違っても、驚くほど似ているということです。だとしたら、解決のヒントも、業界を越えて分け合えるはずなんです。自分たちだけで抱え込まず、外の風を入れてみる。その風を運ぶ役として、私を使っていただけたら嬉しいです。「うちは特殊だから」と、これまで諦めてきた課題があれば、ぜひ聞かせてください。案外、あっけない答えが、隣の畑にあるかもしれません。いつでもお待ちしています。

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