引き継ぎメモが、いつも間に合わない理由|休む前の準備を軽くする工夫

こんにちは、apro-incの業務改善・DXコンサルタント、AYAKAです。
明日から夏休み、という日の夕方。みんなが「お疲れさまでした、良い休みを」と帰っていく中、一人デスクに残って、引き継ぎのメモを書いている。あれもこれも伝えておかないと、と思ううちに、時計は進み、結局いつもより遅くなる。
私にも、この経験があります。しかも、一度や二度ではありません。毎回「今度こそ早めに準備しよう」と思うのに、気づけばまた前日の夜。休みに入る前に、なぜかいちばん疲れてしまう。これでは、何のための休暇準備なのか、分からなくなってしまいますよね。
今日は、この「引き継ぎメモが、いつも間に合わない」問題について、なぜそうなるのか、どうすれば軽くできるのかを、お話ししたいと思います。昨日の記事の、もう少し個人寄りの話です。
間に合わないのは、締め切りが「休む直前」しかないから
なぜ、毎回ぎりぎりになるのか。理由はいくつかありますが、いちばん大きいのは、引き継ぎメモには「休む直前」という締め切りしかないからだと思うんです。
人は、締め切りが来るまで、なかなか動けません。しかも引き継ぎメモは、書かなくても今日の仕事は回ってしまう。緊急ではないけれど大事なこと、の典型です。だから、目の前の業務に押されて、どんどん後ろに追いやられる。そして、逃げ場のない前日になって、ようやく手をつけることになるわけです。
もうひとつ、意外と大きいのが、「書き始めると、思ったより時間がかかる」ということ。頭の中では簡単に思えても、いざ人に伝わる形にしようとすると、前提から説明しなければいけなかったり、経緯を思い出さなければいけなかったり。普段やっていることを言葉にする作業は、想像よりずっと重いんですよね。だから、見積もりが甘くなって、いつも時間が足りなくなる。
つまり、間に合わないのは、あなたが後回しにする性格だからでも、要領が悪いからでもありません。締め切りの構造と、作業の重さの見誤り。この二つが重なっているだけなんです。
一気に書こうとするから、重くなる
じゃあ、どうするか。私がたどり着いたのは、「引き継ぎメモを、休む前に書かない」という考え方でした。
正確に言うと、休む前に「ゼロから書き上げる」のをやめる、ということです。代わりに、普段から少しずつ、書きためておく。たとえば、何か定型的な作業をしたとき、そのついでに手順を数行メモしておく。誰かに口頭で説明した機会があったら、その説明をそのままメモに残しておく。イレギュラーな対応をしたら、経緯を一行だけ書いておく。
一回あたり、数分もかからない作業です。でも、これを日常的にやっておくと、休む前には「そのメモをまとめて、少し整えるだけ」で済むようになります。ゼロから書くのと、あるものを整えるのとでは、負担がまったく違います。前日の夜に三時間かかっていたことが、三十分で終わるようになる。
これは、先日お話しした「ペーパーレスは、ひとつだけから」や、「学び直しは小さく始める」と、根っこは同じ話です。大きな作業は、まとめてやろうとすると腰が重くなる。小さく分けて、日常に埋め込んでしまえば、負担はほとんど感じなくなる。引き継ぎメモも、まったく同じなんですよね。
そのメモは、休みのためだけのものじゃない
そして、ここが個人的にはいちばん伝えたいところなのですが。日頃から書きためたメモは、休暇の引き継ぎだけでなく、いろいろな場面で効いてきます。
新しい人が入ってきたときの説明資料になる。自分が別の業務に移るときの引き継ぎ書のもとになる。半年前の自分がどうやったか思い出せないとき、自分自身を助けてくれる。急に体調を崩したとき、誰かが代わりに動ける材料になる。要するに、休暇のために書いたつもりのメモが、日常のあらゆる場面で、あなたと周りを助けてくれるんです。
昨日、「休む前に引き継ぐのではなく、普段から分かる状態にしておく」という話をしました。今日の話は、それを個人の習慣に落とし込んだもの、と言えるかもしれません。組織としての仕組みと、個人としての習慣。この両方があると、不在に強い職場は、ぐっとつくりやすくなります。
もし、この夏の休暇前に、また前日の夜に一人残ることになりそうなら。今年はもう間に合わないかもしれませんが、休み明けから、少しずつ書きためる習慣を始めてみませんか。次の年末年始や、来年の夏には、その効果を実感できるはずです。
apro-incでは、こうした情報を残す習慣が、個人の努力だけに終わらず、チーム全体の仕組みとして根づくところまで、一緒に設計します。どこに、どんな形で残すのが、御社にとって続けやすいのか。そこが決まっていないと、せっかくのメモも散らばってしまいますから。「引き継ぎのたびに毎回苦労している」「情報が個人のメモに埋もれている」と感じている方は、ぜひ一度ご相談ください。準備に追われない休暇を、来年こそ迎えましょう。
AYAKA’s View
休む前の引き継ぎ準備でくたくたになって、休暇の初日は疲れて寝て終わる。そんな話を聞くたびに、もったいないなあと思います。休むために、いちばん疲れる。これでは本末転倒ですよね。
私自身、そういう夏を何度か過ごして、ようやく「日頃からちょっとずつ」に落ち着きました。正直に言えば、今でも完璧にはできていません。バタバタする年もあります。でも、以前より格段に楽になったのは確かです。完璧を目指さなくていいんです。前日の負担が少しでも軽くなれば、それでいい。そして、その「少しずつ」が続く形は、人によっても、職場によっても違います。御社にとって無理のない形を、一緒に見つけさせてください。準備で疲れきらずに、ちゃんと休める。そんな夏を、来年は迎えられますように。

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