こんにちは、apro-incの業務改善・DXコンサルタント、AYAKAです。
2026年、多くの企業で生成AIの導入が一巡しました。しかし、今現場から聞こえてくるのは「ツールは入れたけれど、結局何が変わったのか実感がわかない」「AIの回答が一般的すぎて、自社の業務にはフィットしない」という切実な悩みです。
実は今、こうした「DXの壁」を突破する理論として、1990年代に野中郁次郎氏が提唱した「SECI(セキ)モデル」が猛烈に再注目されているのをご存知でしょうか?
「なぜ今さら30年も前の理論を?」と思われるかもしれません。しかし、AI時代だからこそ、人間が持つ「暗黙知」をいかに組織の力に変えるかというこのモデルが、DXの成否を分ける決定打になるのです。
DXが「ツール導入」で終わってしまう理由
多くの企業が陥る罠は、DXを「連結化(Combination)」、つまりデータの統合やシステムの構築だけで完結させようとすることにあります。しかし、SECIモデルが示すのは、知識は4つのプロセスを循環(スパイラルアップ)させることで初めて価値を生むということです。
- 共同化 (Socialization):現場の「職人芸」や「コツ」を共有する。
- 表出化 (Externalization):そのコツを言葉やマニュアル、図解にする。
- 連結化 (Combination):形式知を組み合わせて、新しいシステムや仕組みを作る。
- 内面化 (Internalization):新しい仕組みを実践し、個人のスキルとして定着させる。
AIがどれほど進化しても、AI自体は「1. 共同化」ができません。現場で起きている微妙な違和感や、顧客との間に流れる空気感といった「暗黙知」を人間が吸い上げない限り、AIに学習させるための良質なデータ(形式知)は生まれないのです。
2026年流・SECIモデルの回し方
現代のDXにおいて重要なのは、デジタルを「連結化」の道具として使うだけでなく、「共同化」と「表出化」を加速させるためのツールとして捉え直すことです。
例えば、ベテラン社員の作業を動画で撮影し、AIがその「動きのクセ」を言語化してマニュアルのドラフトを作成する。これは、これまで多大な労力がかかっていた「表出化」のプロセスをDXで効率化している好例です。
AYAKA’s View
DXの「X(トランスフォーメーション)」の本質は、システムの刷新ではなく「組織の文化そのものを知識創造に適したものへ変えること」だと私は考えています。
「AIを導入すれば勝手に業務が効率化される」というのは幻想です。むしろ、AIがあるからこそ、私たちは「人間同士の対話」や「現場での気づき」という、デジタル化しにくいアナログなプロセスを大切にしなければなりません。社内のチャットツールで、些細な「仕事のコツ」を共有し合う。そんな小さな一歩が、巨大なSECIのスパイラルを回し始めるきっかけになります。
apro-incでは、最新のテクノロジーと日本古来の組織理論を掛け合わせ、貴社独自の「知識創造サイクル」を構築するサポートをしています。「ツールは入れたけれど活用できていない」「現場の知恵を資産に変えたい」とお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。
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