「うちにはDXは早い」と言っていた社長が変わった3つのきっかけ

中小企業のDX

こんにちは、apro-incの業務改善・DXコンサルタント、AYAKAです。

土曜日のコラムです。今日は、数字やツールの話を少し置いておいて、「DXを始めた経営者たちの本音」をお届けしたいと思います。

コンサルティングの仕事をしていると、さまざまな経営者と出会います。その中で印象的なのが「以前はDXなんてうちには関係ないと思っていた」という言葉で始まる話です。

「うちには早い」は、本当によく聞く言葉

「社員が20人しかいないし」「ITに詳しい人間もいないし」「今は余裕がないし」

こういった言葉で、DXを後回しにしている経営者は今も多いです。

でも実際には、DXを始めた経営者の多くが「もっと早くやっておけばよかった」と口を揃えます。彼らを動かしたのは、壮大なビジョンでも高額なコンサルタントでもなく、身近で起きた小さな「きっかけ」でした。

今日は、私が実際に聞いたエピソードをもとに、3つのきっかけを紹介します。

きっかけ①:担当者の退職で「属人化リスク」を痛感した

製造業を営む社長(従業員15名)から聞いた話です。

ある日、入社10年のベテラン事務員さんが「一身上の都合で」退職することになりました。会社の経理・請求・在庫管理の8割を一人で担っていた方でした。

「後任が来るまでの3ヶ月、本当に地獄でした。その人しか知らない取引先の細かいルール、独自の計算方法、どこに何があるかも全部頭の中だった。退職前に必死で引き継ぎをしましたが、メモにしきれない部分が山ほど出てきた」

この経験が、社長の意識を変えました。「属人化を次に続けてはいけない。でも人材だけに頼らない仕組みを作るにはどうすればいいか」。この問いがDXへの入口でした。

実はこれはよくある話で、日本企業の多くで「特定の人しかわからない業務がある」状態が常態化しています。担当者が退職するまで気づかない、気づいたときには手遅れ。そういう経営リスクが、DXへの最初の動機になるケースは非常に多いです。

きっかけ②:同業他社がデジタル化で差をつけてきた

サービス業を経営する社長(従業員8名)のエピソードです。

ある取引先から言われました。「最近、A社さんはオンラインで注文から請求まで全部完結するんですよね。御社もそうなりますか?」

競合のA社は自分より規模が小さい会社だったのに、いつの間にかクラウドで受発注・請求・顧客管理を一元化し、「対応が速い」「ミスが少ない」と取引先から高く評価されていた。

「正直、悔しかったです。でもそれより怖かった。このままでは取引先から選ばれなくなるかもしれないと思った」

2026年現在、大企業を中心に電子化・デジタル化が標準になりつつあります。取引先から「電子請求書対応してほしい」「システムで発注したい」という要望が来るようになった中小企業は増えています。競合の変化ではなく、取引先の変化がきっかけになるケースも増えています。

きっかけ③:補助金の存在を知って「今がチャンス」と気づいた

「DXに興味はあるけれど、コストが心配で踏み出せない」。これが最も多い理由の一つです。ある建設業の社長(従業員12名)は、商工会議所のセミナーで補助金の話を初めて聞いて驚きました。

「IT導入に補助金が出るとは全然知らなかった。しかも補助率が最大4/5って。自己負担が1〜2割になるなら、試してみる価値があると思った」

2026年から「デジタル化・AI導入補助金」として制度が強化され、AIツールへの補助も拡充されています。「やりたいけどお金が・・・」という心理的ブレーキが外れた瞬間に、動き出す経営者は多いです。

この社長は補助金を活用してクラウド会計と勤怠管理を導入し、月次経理の作業時間を半減させました。「最初の1歩が、こんなに安く踏み出せるとは思わなかった」と話していました。

3つに共通していること

退職リスク・競合の変化・補助金という3つのきっかけ、共通点があります。それは、「自分ごとになった瞬間」に動き出す、ということです。

DXのニュースを見ても「大企業の話」と感じている間は動きません。でも「あの担当者がいなくなったら」「あの取引先に選ばれなくなったら」「あの補助金は今年しかないかもしれない」と自分の会社の話として感じた瞬間に、経営者は動き始めます。

ちなみに3人の社長に共通していたことがもう一つあります。それは「動き出してから後悔した人はいない」ということです。みなさん「もっと早くやっておけばよかった」と言っていました。

AYAKA’s View

「うちにはDXは早い」という言葉を聞くたびに、私はこう思います。「早いと感じているのは、まだ痛みを経験していないから」。でも、その痛みは突然やってきます。

退職届、競合への乗り換え、補助金の締め切り これらは待ってくれません。

もし今この記事を読んでいて「うちも他人事じゃないな」と感じた方がいれば、ぜひ一度だけapro-incに相談してみてください。「今の業務で一番リスクがある箇所はどこか」を一緒に整理するだけで、次の一手が見えてきます。

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